好きなこと、得意なこと。

「好きなことはなんですか?」と聞かれて困ってしまった。
同じように「得意なことはなんですか?」と聞かれればもっと困ってしまう。
「嫌いなこと」はそう多く無いと思うけれど、特に胸を張って「好きなこと」も「得意なこと」も無い。
威張って言うことじゃないけどね。


もうだいぶ以前のことになるけれど、「ダ・ヴィンチ・コード」読みました。ベストセラーになるだけのことはあるなぁという程度に楽しく読んだのだけれど、それよりも気になったのは、この小説を書く為に要した、膨大であろう資料の量。それと知識。
キリスト教に関する知識、その周辺の事情までかなり調べ抜いているのだろうなと。
それはきっと、ただ小説を書く題材として選んで調べたというものではないのだろうなぁと感じました。
作者のダン・ブラウンと言う人が、他にどのような本を書いているのか知らないので、間違っているかもしれませんが、蓄積された知識があるのだろうと。
数冊しか読んだことはありませんが、藤本ひとみさんという方の本を読んだ時にも同じように感じました。
藤本ひとみさんの欧州の歴史小説は面白いです。


きっとこういう掘り下げた知識というのは、好きじゃないと身に付かないと思うんですよね。
「好きなこと」が知識となり、「得意な」文章力で書いている、そういう感じがするんですよね。
もし好きなことだけを仕事にしようと思うなら、ダン・ブラウンさんは宗教学者を目指してもいいし、藤本ひとみさんも欧州の歴史研究家でもいいと思うんです。
でもそこに「得意なこと」を加えて、まったく別の仕事にしてしまっている。
う〜ん。すごい才能だ。
自分の「好きなこと」も「得意なこと」も理解して、それを結び付けられるというのは、すごい。


「好きなこと」を仕事に結び付けられるのは、すごく素敵なことだと思うけど、自分の「得意なこと」も理解すれば、もっとすんなり道は拓けるのかもしれないですね。
「好きなこと」とちょっと角度が変わってしまっても、やはりそれを活かしている仕事には違いないという気がします。
ダン・ブラウンさんも藤本ひとみさんも本当は何が好きで、何が得意かなんて知らないけど、そんな風に感じました。


「好きなこと」も「得意なこと」もみつけられない私が論外なのは言うまでもありませんが・・・