先生

 最近読んだ新聞のコラム欄。元中学校の教諭の方が書かれていた。
「今のままでいい」ではなく、「今のままがいい」と、言ってあげよう。
 そんな内容だった。
 その方が子供の頃、自分の短所だと思っていたことを逆に褒められて、それで救われたと。だから自分が子供に接する時には、それを意識していたと。


 そうか……
 そう思ってもなかなか言える言葉じゃない。「今のままでいい」とは、何度か言われたこともいったこともあるような気がするが、「今のままがいい」とはなかなか言えない。
 どこか何かを期待する。
 成長することを。よりよく変化することを。その変化を留めてしまいそうで、なかなか言えない。けれど、大きく受け止めるっていうことは、そういうことなのかもしれない。
 短所を短所としてでなく、長所として捉える。短所と長所なんてものは、表裏一体だもの。
 表裏一体だと解っていても、自分のことも、他人のことも短所はよく見えるが、長所はなかなか見えて来ない。褒めるのが得意な人もいるけれど、そういう人って素直にすごいなって思う。


 子供の頃、学校の先生とはことごとく相性の悪かったわたくしとしては、そう言うことを意識している先生もいるんだなぁ〜 と、思っただけで、結構刺激になります。
 先生に限らず、いろいろな人がいて、いろいろなことを考えながら生きているのは当り前なんだけど、「先生」という職種の人にそう思えないのは、やっぱりどこかトラウマというか、偏見があるのだなぁ。