ナナカマド

もう秋なんだなぁ〜と実感。
ナナカマドの実が赤く色付きはじめている。つい先日までは、黄緑色の硬そうな実だったのに。
まだ真っ赤ではないけれど、橙色、山吹色。あぁ〜やっぱり秋なんだなぁ〜


会社の駐車場の脇に、10本ほどのナナカマドの木が並んでいます。遠くから眺めていたのだけれど、ん?
一本の木になっている実の色がすべて同じなんですよ。
濃い橙色の木。山吹色の木。まだ黄緑色の木。
一列に並んで立っているのだから、条件は皆同じはずなのに、色付き方はそれぞれの木で違うんですね。でも一本の木の中に、黄緑色の実と橙色の実が同時になっているということはないのですよ。
う〜ん。。不思議。
一本一本の木は、同じ歩みをしているのですね。高い所になっている実も、低い所になっている実も皆同じ。一本の太い幹から枝葉の先まで、同じように成長し同じように老いて逝くんだなぁ。
隣の木とは違う歩みでも、一本の木は同じ歩み。なんだか感慨深いです。


もう少ししたら全ての木の実が真っ赤になるでしょう。鳥についばまれることも無く、雪が降っても真っ赤な実はそこにあります。
白い雪と、赤い実の姿は美しいのだけれど、鳥についばまれることも無い実というのは、なんだか悲しい気がします。
きっと美味しくないんでしょうね。でも真冬の頃になると、食べ物が無くなった鳥たちはようやくその実をついばむようです。
鳥がついばんでくれるその時まで、その実は腐らぬように防腐剤の成分を含んでいると言います。
白と赤の美しい姿は、子孫繁栄のためにじっと待つナナカマドの姿なのですね。


なんだかいじらしいなぁと私は思います。秋には見向きもされない実が、じっと真冬まで耐える姿は。