危ない恋愛

危ない恋愛 (知恵の森文庫)

危ない恋愛 (知恵の森文庫)


今までに、共依存アダルトチルドレン、DVの本は数冊読んだことがあるけれど、今までのなかで一番、合点がいった。
良かった。納得した。満足した。稚拙だけれど、こんな言葉しか出て来ない。
だって、「どこが」を説明しようとしたら、本の中身全部を語らなくてはならなくなってしまいそうだから。


恋愛っていうのは、多くの人間関係のたったひとつのカテゴリに過ぎないんだなって思った。だって、友達関係や社会における人間関係は上手くいってるけれど、恋愛関係だけが苦手って言う人って少ないのではないのかな。
人間関係って、自分をとりまく全ての人との関係だから、そのたった一つの関係をうまくやろうと思ってもそうはいかない。
そこには、自分の奥底にある概念が全てに関係していて、全てを成している。だから「危ない恋愛」なんていうけれど、恋愛関係だけじゃなくて、いろいろな関係において納得。


引用したい部分はたくさんあるのだけれど、少しだけ・・・


 人間はフィクションの中で生きています。だからこそ、いたわり合えるという真実もあるんです。いたわりあえるということは真実ですから、そこにリアリティを求めてほしい。リアリティの求め方を一段階レベルアップさせてほしい。それがつまり成熟ということだと思います。
 ところが、未熟な心には、自分側のフィクションを相手にかぶせるという方向しかない。相手の中にもっているフィクションをわかってあげて、そのフィクションから物事を考えてあげるというのが、いたわりあいということなんです。


数日前に私は、「スワヒリ語」なんてたとえを使ったけれど、それはフィクションの引き出しが少ないってことなんだと思う。自分側のフィクションを相手にかぶせているってことなんだと思う。
フィクションの引き出しを多くするには、多くのノンフィクションしかないのではないのかな。
人間て人との関わりのなかでしか、成熟出来ないって気がする。たとえ本をたくさん読んでも、お勉強をたくさんしても、成熟なんてするわけがない。お勉強だけでは、リアリティに欠けている。もちろん、ただ関われば良いと言うわけではないけれど。


 「今のままの君でいいんだよ」っていう本はたくさんあるけれど、だからこれだけニートが増えちゃった。あれは絶対にダメですよ。今の君でいいわけないじゃん!
 なんべんでもいいますよ。
 今の君でいいわけないじゃん!


わはは!ごもっともです。今の私でいいわけがない。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」っていうけれど、その意味が最近解ってきた。
買う価値のない苦労だってたくさんあるけれど、価値のある苦労をどれだけ買ってきたか、またこれから買っていくのかっていうのが、成熟なのではないのかなと思う。
そして、その与えられたタイミングでしか苦労って買えない。いつでもどこでも売っているものじゃないもの。
でも苦労っていうのは、どれほどの付加価値をつけれるかっていうのかっていうのはその人のセンス。センスを磨かなきゃどんな苦労も無価値だってことのような気がします。


たくさん感じたことはあって、書ききれないのだけれど、「今の私でいいわけないじゃん!」って思っている人に読んでほしいなぁ。
「性格だから仕方ないよね」って言葉で、いろんなこと片付けたくないから。