信頼関係

 何度か書いたことがあるけれど、私は直属の上司とソリが合わない。
 悪い人ではないんだけれど、考え方が噛み合ないのだ。だから、いくら良い業務改善案を思い付いたとしても私は口をつぐむ。
 当然私は部下なのだから、好き勝手なことを言って良いという訳ではないけれど、どうも信頼出来ないんだなぁ。
「この人は私の意見を受け止めてくれる」という感覚が全くない。だから言わない。その方が波風立たないもの。
 私が、思ったことを言わない限りは(表面上)上手く行く。これが大人の処世術ってやつなのかもしれない。


 まぁ、上司のことはどうでも良いことなんだけど。。。


 先週、友人と会った。専業主婦で、子供が一人いる。
 ここ数年、彼女と会うといつも思うのだけれど、なんとなく幸せそうな感じがしない。別にご主人との中が不仲なわけではない。フツーに暮らしている。
 彼女の中にはいつも何かが鬱積していて、それを上手く吐き出せていないような感じがする。
 その鬱積しているものが、具体的に何なのか彼女自身もよくわからなくなってきているようだ。
 でも、端から見てるとなんとなく解っちゃうんだよね。
 夫婦のことは夫婦にしか解らないのだから「解っちゃう」なんて傲慢なのかもしれないけれど、でもなんとなく感じる。


 彼女はご主人のことを信頼していない。


 信頼出来る人間関係って、何なんだろうと思う。
 思っていることをきちんと伝えられること。それをきちんと聞いてもらえること。そして、相手も思っていることを言えるような雰囲気を作り出せること。そして、それを受け止められること。
 そして、妥協点をふたりで探し出せることなんじゃないだろうか。
 これが、信頼しあえるということなんじゃないかなぁ。。。


 これって、すごく難しい。
 私は上司に、きちんと聞いてもらうことが出来ない。聞いてもらえない私は、だから相手が話しやすい雰囲気を作り出さない。(作り出してやらない)
 彼女は、思っていることをご主人に伝えられない。だからご主人も何も言ってくれず、何を考えているのか解らない。


 どちらが先かはわからないけれど、自分が出来ないことは、相手も出来ない。
 どちらも口をつぐんで「どうせ言っても解ってもらえない」と思う。言ってもいないのに。


 言いたいことを言える。相手にも言わせてあげられる関係を継続出来るなんて奇蹟ですよ。人ってちょっとしたきっかけで、拗ねちゃったり、決めつけちゃったりするから、なかなかそういう関係を維持出来ないもん。
 もちろん思っていることすべてを口に出せば良いってことじゃないし、そこには思いやりも必要だし、推し量ることもしなきゃならないし、そういうものがすべて上手くいかないと、信頼出来る関係なんて作ることが出来ないんだろうと思う。


 人との関係って、伸び縮みするんじゃないかな? って思う。
 ちょっとしたきっかけで拗ねちゃって、口をつぐんでしまうこともあるけれど、それで、少し気持ちが遠のいてしまうこともあるけれど、またどちらかが歩み寄って近付いていって…… それを繰り返しながら、本物の関係になって行くのではないのかなぁ。
 また近付こう! と思えるってことは、やっぱり愛かな。きっとそうなんだと思う。(って、結論がワンパターンだな。。。)