白夜光

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)


 今更の感はありますが……
 東野圭吾さんの作品は好きなので、結構読んでいるのですがこれはまだでした。
 しかしなぁ。。。
 ドラマを見てしまってから読むのは失敗だったな。
 亮二が山田孝之さん、雪穂が綾瀬はるかさん、というイメージが強すぎて本、本来の楽しさを堪能出来なかった。失敗。
 ストーリーもほぼドラマでは再現されていたことを確認。そのせいでドキドキ感を味わえなかった。残念。


 ストーリー展開の素晴らしさ、面白さなんて今更言うまでもないので書かないけど、なんて寂しい人たちばかりの出てくる話しなんだろう、と。
 ドラマも暗い感じだったけどね。
 寂しい人は騙されて、騙されてその寂しさを埋めようとし、寂しい人は人を陥れて一時の優越感に浸り、また寂しくなる。
 どこまで行っても寂しいものは寂しい。
 笹垣(刑事)が「あの時に摘み取っておくべき芽があったんや……」というけれど、寂しい種は寂しい花しか咲かせない。寂しい種を持ってしまったのは不運もあるけれど、花を咲かせるにはそれを育てなければならない。誰かが摘み取ってくれなかったのなら、自分で枯らすという選択肢もあったはずなのだと思う。
 寂しい芽に栄養を与え続けたのは、境遇ばかりじゃない。


 人って、何かの芽を見つけたらそれがどんなふうに成長するのだろう、どんな花を咲かすのだろうと好奇心をのぞかせてしまうものかもしれない。それが毒の花であったとしても。
 なんてアホなことを考えてしまった。
 毒の芽は芽のうちにきちんと摘み取りましょ!