労いの言葉

 病気の家族を抱え、その受入先の病院がなかなか決まらず苦労をなさっている方の日記を拝見した。
 本当に苦労してきた人は「大変だね」と「身体に気をつけて」と言わないということに気付いた、と書かれていた。そして、それは言われてもちっとも嬉しくない言葉だと。
 それを読んだ時に、気が晴れた。
 なんとなく自分のなかでもやもやとしていたものが何なのか気付いた。
 苦労をしている人を見ても労いの言葉を掛けられない自分がいる。なんだか軽々しくそういうことを言ってはならないような気がして。でも、そういう言葉を言えない自分が冷たいような気がしてもやもやとしていた。
 自分が大変な状況にあったとき、そういう言葉を言われてもちっとも嬉しくなかったことがそう言えばあった。そのことが無意識のうちにどこかで引っ掛かっていたんだろう。
 人を元気付ける言葉というのはある。だから言葉を掛けることを否定したりはしないけれど、それは決して「大変だね」とか「身体に気をつけて」などという言葉ではないんだな。
 じゃぁ、どういう言葉が良いんだ? って考えても解らない。ただ沈黙しているのもなんだか情けないけど。